フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
<< ricordo 〜追憶〜 main Lacheln >>
colors
         

“ルーデンドルフ伯爵家ご息女
リーネ様 追悼パーティーのご案内”——



ルーデンドルフ伯爵家の執事の方から届いた
重厚な一枚の封筒に目を落とし、
やはりドレスを再考すべきか、頭を抱える。

...やはりこれでは相応しくないかしら?

青緑色のベルベットを配色した黒いドレスに、
やはり青緑色が印象深い、母の形見のイヤリング。

ちょっと派手過ぎるかしら...



エリーゼが療養している
ルーデンドルフ家所有のカントリー・ハウス
フリューゲル・デス・フレースヴェルグ—

私の本当の目的は、
突然ウェントワースを長期休学した
エリーゼの様子を見ること...

...だけど、
追悼パーティーの弔問客として伺うのだから
やはりもう少し色味は抑えるべきかしら。





...突然学園に休学を申し出たエリーゼの病状は、
教師・学友の 誰に聞いてもまったく詳細が掴めなかった。

元々おとなしい子だったから、
周りの子にも多くは語らないまま休養に入ったようだ。

彼女の姉・リーネが亡くなってからは余計に口数が減り、
体調不良もその頃から始まっていたという。



エリーゼ——

私がウェントワースを卒業してから、もう随分顔を合わせてない。

いったいどんな病気にかかってしまったというの?

最後に会ったときは、あんなに楽しそうにお喋りしてたのに。

長期休学しなくてはならないほどの体調不良って、一体何が...

伺ったとしても、もし 追悼パーティーにも参列していなかったら...?




唯一の望みは、彼女の治療にあたっているのが
私の義父・サイモン・ラザレス・マクファーソンの妻の弟である
レオン叔父様だということ。

もしエリーゼに会うことが叶わなくても、
彼に会えばなんらかの情報が得られると思う...。



...そういえば、叔父様にお会いするのも随分久しぶり。

叔父様のことだから、私の名前なんて忘れてしまっているかしら?

...そうだわ、




やっぱりドレスは、これでいこう。




私らしい、青緑色。

亡くなった母も好んで身に着けいてたこの色。
小さな頃から、私にとって欠かせない色なの。

このドレスを見たら、叔父様も私に気がついてくれるかも。

幼い頃から、他の子のように
ピンクや赤を好まない私を
いつも叔父様は面白がってた。

—それに、この世界は生きている人のものだから。


待ってて、エリーゼ。
 



ゲスト ディーナ - -