フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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フロマージュ

しょりしょり……

しょりしょりしょりしょり……


だれもいない厨房に、単調な音が静かに響く


賄いを頂いてたオレの目の前に、
向こう側が見えなくなるような山のようなイモを、それはもう重たそうに師匠が置いたのは、
皆さんのランチを出し終えたすぐあとのことッス。

もう3時間くらい経つんじゃないッスか?

「レミ。これの皮を全部剥いておいてください。」

師匠にそう言われてから……


しょりしょり……

しょりしょりしょりしょりしょり……


こういうのは久しぶりッス!
今日の夕食に使うんスかね〜?
それにしてもすごい量ッス!

うー……
ちっとも終わらないッス……

師匠に拾ってもらって、スグの時は
何一つ分からなかったから、皿洗いと芋剥きくらいしかできなかったッス。
だから
なんだか、ここに来たばかりの頃を思い出すッス。

まだ半年しか経ってないッスけど!


いやでも、この量は初めてかもしれないッス……
何に使うんスかね?


そういえば……
少し前から、時々師匠の元気がない気がするッス。
何かあったんスかね。

んん……
確かあれは、ゆうごはんの用意をしている最中に
師匠がクラウス様に呼び出された日の辺りから……?

何か怒られたりとか?
もしかしたら、腹が痛いのかも……?

うーん……
心配ッス。

そういえば、前に、師匠は
「美味しい料理は人の心を穏やかにする
 未知なる美味しい料理に出会ったとき、人は驚きと幸せの表情でいっぱいになる
 今まであった悩みすらどこかへ飛んで行ってしまう」
って言っていたッス。


じゃあ、誰が師匠の心を穏やかにするごはんを作ってくれるんスか?
誰が悩みを吹っ飛ばしてくれるんスか???

むー?


むむむ!
よーーーーーし!

気のせいかもしれないけど、なんとなく元気がない師匠のために
オレ! 頑張ってみるッス!
余ってる材料くらいしか使えないッスけど、もしかしたら美味しいもの作れるかもしれないッス♪

そうと決まれば、早く芋を剥き終えるッス!

待ってて下さいね、師匠!
フフーン♪♪ 





 



皿洗い レミ - -