フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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終わらない鎮魂歌
         

あの日と同じ嵐。
間近にせまる、追悼の日。
お屋敷の長い廊下を歩いていると、
もう1つ、思い出されることがある。

あの日・・・
廊下ですれ違ったエリーゼ様の表情。

なにが起きたのかわからないといった、
不安げなお顔でいらっしゃった。

それからというもの、
お嬢様のお顔には、時折暗い影が見えるようになった。

もちろん使用人たるもの、気がついたことへの報告は怠たらない。
だが、ハインリッヒさんへ報告しても、
「リーネ様の亡くなられた後だから」
の答えのみ。
そして、「これ以上の詮索は不要」という、
無言の圧力。

もちろん自分の本分は忘れてはいない。
ただ、ルーデンドルフ家の所有物として、
成すべきことをなすのみ・・・

ただ・・・もしも・・・
もう少し、確固たる地位と力を保有していたならば、
もっと真実に近い場所に居られたのだろうか?
もし、そうならば、残念に思う。

追悼の日
館全体が静かに奏でる
終わらない鎮魂歌

その日には、真実に繋がるなにかが、
あるのだろうか?



従僕 モーゼス - -