フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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深い色合いの紅茶にブレンドされた
野いちご
矢車菊
マリーゴールド


お部屋の中に、ふわりと香りが広がります。


「良い香りの紅茶ね」

そう言って、エリーゼ様が微笑みます。

だけどどこか遠くを見ていらっしゃる瞳。

このお顔は、拝見したことがあります。


「ねぇ…マリアナ。
 私は、どこへ行くのかしら。
 私たちは、どこから来て、どこへ行くのかしら。」


そうして最後に、消え入るような声で「お姉さま」とつぶやかれます。


リーネ様のお話をされる時は、いつもこのお顔をされます。





どこへ


私はどこから来たのでしょうか





「変なことを言って、ごめんなさいね。
 ああ、優しい香り。
 とても美味しい紅茶ね」


どこか を見つめたまま
エリーゼ様がつぶやきます。



どこから


私はどこへ行くのでしょうか




いいえ
私には
必要のない答えです









 



メイド長 マリアナ - -