フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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avvenire 〜未来〜 
          


「----おい、バンビーノ!

植え穴の中に落ち葉と鶏糞を一緒に入れるんじゃねぇ!

ったく・・・さっき言った事を聞いてなかったのか?」



リクの奴、随分仕事も覚えて手際もよくなったんだが、

時折、“心ここに在らず”な時がある。


その訳は・・・あの閉め切った窓の向こうか・・・



エリーゼ嬢ちゃん、・・・いや、もうお嬢様と呼ぶべきか・・・

このところずっとふさぎこんでらっしゃるようだ。



無理もねぇ・・・

もうすぐ二度と思い出したくも無ぇ“あの日”がやってくる。



まぁ、俺ごときが心配するような立場じゃねぇってのは

分かっちゃいるんだが・・・な。






「おーーーい、バンビーノ!

エリーゼお嬢様の部屋の花を変えてきてくれねぇか。」


「あ、あぁ。・・・でも、まだ・・・」


「今日はこれで上がっていいや。後ぁ俺がやっとく。」


「いいのか・・・?」


「晩飯までにゃ戻って来いよ。

でなきゃ、おめぇの分まで全部俺が食っちまうからな。」


「な・・おい!ふざけんじゃねぇ!!ったく・・・・悪ぃな親方。」


「早く行けよ。ウロウロされると邪魔でしょうがねぇ。」


「うるっせーよ!じゃあ・・・行ってくる!」






フッ・・・がさつで品が無ぇ奴だが・・・

今、おめぇがやれること、やるべきことをやってやんな。


簡単なことさ。


大切なひとの傍にいて守ってやる。



大切なものを為す術なく失った俺たちは

慙愧と悔恨の鎖に縛られ続けている。

おめぇにはそれを断ち切ることができるんだ。



人は過去に生きるべからず。


リクよ。お前は未来を切り拓いていけ。






庭師 ブルーノ - -