フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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Liberta

         リク01

 

「納屋の前に麻袋があるから、取ってこい

 ぐずぐずしてんじゃねぇぞ、バンビ!」

 


親方に言われて納屋に来たは良いが…

なんだこの量…!

軽く見積もって10…いや、15はある。


「馬鹿力が……クソッ」


もちろん、オレだって非力なつもりはない。

腕っぷしにはかなり自信がある。

…が、親方はオレの遥かに上を行く馬鹿力だ。


ゴードンのジジイに拾われてこの屋敷に来てから大分経つが、

腕っぷしで親方に勝てた試しがない。

最初の頃は無鉄砲に突っ込んで返り討ちにあって、骨を折ったこともある。

今でも、親方に逆らおうもんなら殴り飛ばされちまう。


「大体、こんなに大量にどーすんだよ…」


途方に暮れかけていると、オレを呼ぶ声がした。


「ワンッ!」


遠くから駆け寄って来る黒い塊。


「ワォンッ!」


無邪気にオレの周りを走る姿に、思わず毒気が抜かれる。

短い息遣いで勢いよくオレの前に回り込むと、意思表示に姿勢を低くした。

オレがしゃがみ込んで頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細める。


「悪ィ、リベルタ……今はお前と遊んでらんねぇんだ。

 早く行かねぇとまた親方にぶん殴られちまう」

「ゥン?」


オレに遊ぶ意思がないことが解ると、リベルタはゆっくりと起き上がった。

そのままオレの足に寄って、鼻息を荒くした。


「なんだ?遊ばねぇぞ?」


フン、フンと怒るように鼻を鳴らして、オレに視線を送る。


「……早く片付けて相手しろ、って事か?」


顔を撫でてやると、また嬉しそうに擦り寄って来る。


「しょーがねーな……」


確かに、このままボーッと途方に暮れても仕方ねぇ。

さっさと片付けちまうか。


ある程度の重さを覚悟して、麻袋を持ち上げる。

何とか持ち上がらないことはない。

台車か何かに乗せて、一気に運べそうだ。


「…っつてもなぁ……何往復したらいいんだ…」


小さく溜め息を吐くと、リベルタが大きく吠えた。




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