フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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 動かなかった足は、あの人が通り過ぎた空気に反応して振り返った。



 「仰せの通りに」



 向けられた刃も、その不敵な瞳も。
 事実として、私に向けられた物に間違いは無かった。 


 その刃は私をすり抜けて、一人の少女に辿り着く事だろう。
 そしてそれは決して遠い日ではない。




 この歳月が重ねてきたのもは、決して穏やかではなく。

 私の中で肥大化していくものは今では溢れてしまうほどに大きく。





 そして今回の追悼パーティで、変化を伴っていたのは私の中だけではなかったのかもしれない、という推測が生まれた。



 それが何かは明確ではない。

 私の周囲で、確実に何かが風向きを変えている予感がした。









 エリーゼは誰の面会も拒否をする日々が続いている。


 私はおろか、普段つきっきりで世話をしているメイドにすら何の反応も示さず扉も向こうでただ咳き込み、すすり泣く声が聞こえる。

 無理に問いただしたところで良い方向へ向かない事は言うまでもない。
 ただ体調だけは放っておく事はできない。





 「僕が行きましょう」




 そう穏やかな笑みで名乗り出たのはレオンで、食事のトレーを片手に躊躇なく一人で入っていった。

 もどかしい気持ちはあるが、今は奴に任せるべきだと勘が教えた。



 私が今、エリーゼの元へ行って何ができるのか。

 大した得策もなく、ただその扉を見つめた。








 『   お姉さまを殺したのは私なのよ!!!!   』




 『 ーーーーーーーだって、彼女はやってない。


  ・・・・そうでしょう? 』




 『  それはクラウス殿が一番ご存知の筈だ。  』






 私が話すべき相手は、そうーーーーーーーーーー











 その先を考える前に、鼓動が少し速まった。


 



長男 クラウス - -