フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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turquoise
         

人の命...

いのち。

生きることの意味... ... ...




―あれからずっと考えている。




...考えたことがなかった訳じゃないわ。

むしろ、

お父様の死...
そしてお母様の死以来、

何度も 何度も 繰り返し繰り返し
ずっと考えてきたことなの。




お父様は、事業に失敗して
リーネ様と同じく、自ら命を...

お母様は、レオン叔父様のお姉様と同じく、
病気が原因で、みるみるうちに弱って...

だから、エリーゼのことも
なんだか他人事として見ていられなかったの。

だから、追悼パーティーを口実に
ルーデンドルフ家に足を運んでみたの。




なのに...


あのとき


一瞬わからなくなった... ... ...




―――レオン叔父様。


あの人は、やっぱり...ちょっと変わった人だから、
「少しだけ」言い方が適切ではなかっただけで、
悪気があった訳じゃないというのはわかるの。


...でも...




「誰にでも死は平等に訪れる。
 命あるものは、いつか死を迎える...
 ...それは絶対的な帰結。
 誰でも知っていることだろう?

 ...だったら、受け入れるしかないよね。」




そんなことを言われたら、わらかなくなってしまった。




「とはいえ、その訪れ方は千差万別。
 唯一、抗えるとしたら、そこくらいなもんだよね。

 だから、少しでも長く、その命をこの世にとどめておくために...
 出来る限りのことはしたい。」




―――なんて返したらいいのかわからなくなったの。




ただ、

ただ...


「不謹慎」だって批難した自分が...


... ...急に恥ずかしくなって。

...苦しくなって。




「ごめんなさい」しか言えなかったわ。


なぜ謝っているのかわからないのに
「なんとなく」謝罪の言葉を口にするだなんて、
まるで小さな子供みたいだと自分でも思ったわ。



でも、
叔父様は
笑っていたわ。



「そんな風に思われるエリーゼは幸せ者だね」、と...






そうね。


できれば、黒いドレスを着る機会は
多くない方がいいに決まってる。

誰かが病気になったら、
どうしたらいいのかを考えて、
お医者様は精一杯の手段を尽くして、私は...



私は、

チュルキスのドレスを着て、会いに行くわ。



話を聞いてあげる。

手を握ってあげる。

不謹慎だって言われても、笑顔を届けてあげる。




「“僕は僕のやり方で...”

 ―――そう、私も、私のやり方で」




自分を鼓舞するように、

ゆっくり、レオン叔父様の言葉をなぞってみた。

 



ゲスト ディーナ - -