フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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小さな隠し事
          

          

日課になりつつある、庭のテラスでのティータイム。

ただ、今日はいつもとは違う点がふたつ。
ひとつは、傍に控えているのが一人ではないという事
もうひとつは…お兄様に会いたくなくて逃げてきた、という事。



自室で足元がふらついたときに腕をぶつけてしまい、
痣になってしまったのを見られたくなくて…。
…お兄様が見たら、きっとまた心配をかけてしまうから。

でも、幸いな事に、近頃お兄様と会う機会は殆どなくなっている。
追悼パーティーが近付くにつれ、使用人だけでなく
お兄様もきっと準備でお忙しいのだろうと思う。

それでも、きっと館の中にいたら会ってしまうから。
…まあ、いずれ診察の時になれば…
ドクトルを通じて、お兄様にもばれてしまうのでしょうけど。



また、今日はマリアナとミカエラの
二人が近くに控えているという事。

最近は私の身体を心配して
常に誰か一人が傍に控えているのだけれど、
今日のそれはマリアナだったようで
本当はこっそり一人で来るつもりだったのに
自室を出た途端に見つかってしまった。

そうしてマリアナが「今日のお供」だった訳なのだけれど、
今日は何故かミカエラまで一緒。
ミカエラの方はたまたま、などではなく、
どうやらはじめから一緒に来るつもりだったようで
仕事を殆ど終わらせてきたらしい。

最近は追悼パーティーの準備で忙しいはずなのに…こうして心配してくれている。
こうも心配ばかりかけていては申し訳ないのだけど、それでも少し嬉しさを感じてしまう。




追悼パーティーまでもうすぐ、
誰にとっても辛い日だけれど、私にとってあの日は…




ふと目の前に影ができたことによって我にかえる。
ミカエラが少し屈み、顔を覗き込んでいた。
「エリーゼお嬢様、顔色が優れないようですが…」

それに続きマリアナの声。
「そろそろ自室にお戻りになられた方がよろしいのでは。」

あぁ、はっぱり彼女達は表情こそないものの、相手の表情の変化にはすぐに気づく。
ユーリも含め、あの子達は鋭い。

「大丈夫よ、でも…そうね、そろそろ戻ろうかしら。」




お姉様の追悼パーティー…
きっと沢山の方がいらっしゃるのでしょうね。

お姉様は、とても素敵な方だったから。



二女 エリーゼ - -