フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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Blue Rose
         

「奥様、ここは暑いですからどうぞ館の中へお入りください。

御心配なく! パーティーで用いる薔薇の手入れは万端でさぁ。」




今は亡きリーネお嬢様の追悼パーティーまで後半月余り。

奥様も心なしか落ち着かないご様子だ。



こまめな水遣りと其々の株に合わせての追肥と秋咲きに向けての剪定。

今後の気温や天候を予測した上で計画していかなきゃなぁ・・・


まぁ、この辺は経験と長年の勘に拠る部分が多い。

バンビーノにはじっくり時間をかけて教えていくか。




薔薇ってのはとにかく手がかかる。

なかなかこちらの考えている通りには育っちゃくれねぇ。

だから面白えんだが・・・


・・・何年も試行錯誤しても、どうしても出来ねぇ事もある。




青い薔薇。




文献を調べ、苗を取り寄せ、

考えられる様々な交配を繰り返してはみたが、まったくお手上げだ・・・


まさしくその花言葉どおり・・・「不可能」、「有り得ない」・・・だな。




・・・もう、随分前の話だが、ドュフナー氏が奇妙なことを言っていた。


深い森に包まれたとある館には

見事な青い薔薇が咲き誇っているという・・・

しかしその薔薇はその地を離れると途端に枯れてしまうんだとか・・・



フッ、その話が本当ならば、一度見てみたいもんだな・・・





しかし、ヴェロニカ奥様・・・相変わらず美しい御方だ。

この館に来られて四半世紀にもなるが、

その清楚な美しさは微塵も変わりねぇ。



この館に咲き誇る真の一輪の薔薇・・・

・・・何て馬鹿なことを考えている場合じゃねぇ。


優雅な貴族の奥様と小汚い庭師か・・・



フッ・・・有り得ねぇ。



・・・まさに「青い薔薇」ってやつだ。






庭師 ブルーノ - -