フリューゲル・デス・フレースヴェルグで起こる日々の出来事・・・
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完成は12時間後です。
         

 ふむ・・・明日の料理の下ごしらえは、この位で良いでしょう。

食材の中からごく僅かな量しか取れない極上の部位を使用した、数々のメニュー。

そして、翌日のディナーを前日から仕込まなければならない程に手間暇をかけたこの一品、
きっとお館様方にも満足頂ける事でしょう。


さて・・・
あとは、食材の余り部分を使って使用人達の食事でも作りますか。

こんな切れ端のような食材ばかりを使っても至高の一品を作り出してしまうこの私の才能を、
大して味もわからない様な使用人達に振るうのも勿体ないのですが・・・。

食材に対して最大の敬意を払い、余す事なく食材を使い切るのが私のポリシー、

もとい、天才料理人としての心構えですから。



食とはストイックなものです。

例えば、このチーズひとつを作るにしても
乳を凝固させる為に仔牛を殺し、その4番目の胃から取れる成分を取り出さなくてはなりません。

その工程を経て作り出された食材には、

やはり独特な旨みと香りが生じるというもの。

人類史上初めてチーズやお酒を作った方々は、皆、偶然製法に辿り着いたそうですが、

手間を費やした料理には必ず、それに見合った成果が返ってきますからね。



それにしても・・・
偶然、新しい料理に・・・ですか・・・。

ああ、折角ですから使用人の食事はレミに作らせてみますか。
偶然の中から思わぬ名料理が飛び出すかもしれませんし。

仮に失敗したとしても、戴くのは使用人の方々ですからね。



料理長 ロイド - -